徳川家康(1542〜1616)

徳川家康  天文十一年(1541)三河岡崎城主・松平広忠の嫡子として生まれるが、6歳の時から尾張の織田信秀、駿河の今川義元の「人質」としての日々を送る。幼名竹千代。8歳から19歳までの12年間を駿府で過ごし、元服後は義元の一字を与えられ元信、のちに元康を名乗り、今川家の一族であった築山殿を娶った。
 永禄三年(1560)桶狭間の戦で今川義元が織田信長に破れると、家康は岡崎城(もともと松平家の居城)に入り、ようやく人質生活から脱することができた。このとき19歳だった。その2年後には信長と結び三河一国を平定。永禄十一年(1568年)は武田信玄と謀って大井川を境界に今川氏の所領を折半することを約束し、今川氏の領国駿河・遠江に進攻する。元亀元年(1570)には新たに居城を浜松に構えた。この間に、松平姓から徳川姓に改姓した。
 家康は姉川の戦い(対朝倉・浅井)、長篠の戦い(対武田信玄)で信長に従い、また豊臣秀吉とは小牧・長久手の戦いで争った後に和睦し、その後は政権の中枢にあって、服属しない伊達氏や北条氏など、東国の諸大名の間に入って取次役に徹した。さらに秀吉の全国統一後は関東への転封にも従い、豊臣政権の大老としての職責を果たした。
 慶長三年(1598)秀吉が没すると五大老の筆頭として権勢をふるい、天下取りに邁進する。翌年、戦国史上最大の合戦・関ヶ原の戦で石田三成の軍勢を破って勝利をおさめると、慶長八年(1603)に征夷大将軍に任ぜられ、江戸に幕府を開いた。慶長十年(1605)には将軍職を子の秀忠に譲り、将軍職は徳川家が継承することを天下に示した。家康は「大御所」と称して駿府に退隠するが実権を保持し、豪商・僧侶・学者・外国人の側近を駆使して、全国の統治機構の創出に専念し、朝廷・寺社関係、外交、貨幣、交通などの全国的な政務を統括した。江戸では本田正信が、駿府では正信の子正純が重用された。
 慶長十九年(1514)から元和元年にかけて、大坂冬の陣・夏の陣で豊臣氏を滅ぼし、幕府の将来の不安を取り除いた。また「武家諸法度」「禁中並公家諸法度」を制定するなど、徳川260余年におよぶ長期政権の基礎を築いた。
 元和二年(1616)一月二十一日、鷹狩りで食べた鯛の天ぷらで食中毒を起こし、そのまま回復せず、四月十七日に没した。
 死を前にして家康は、遺体や位牌の安置場所や、日光に廟を建てて祀ることなどを指示している。
 死の二日前には、病床で愛刀「三池典太」を二、三度振って「我この剣をもって、ながく子孫を鎮護すべし」と叫び、前日には「九能山のわが廟所に、神像(遺体)を西に向けて安置せよ」と命じて、死後もなお西同大名への睨みを利かせようとした。75歳。

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