天文十一年（1541）三河岡崎城主・松平広忠の嫡子として生まれる。８歳から１９歳までの１２年間を駿河の今川義元の「人質」として駿府で過ごす。 　永禄三年（1560）桶狭間の戦で今川義元が織田信長に破れると、家康は岡崎城（もともと松平家の居城）に入り、ようやく人質生活から脱することができた。 　その２年後には信長と結び三河一国を平定。元亀元年(1570）には新たに居城を浜松に構えた。この間に、松平姓から徳川姓に改姓した。 　元亀三年（1572）、天下盗りをめざした武田信玄と三方ケ原で敗れ、命からがらに帰城。しかし信玄は病で倒れ、武田軍は甲府へ引き返す。その後、信長に従い、姉川の戦い（対朝倉・浅井）、長篠の戦い（対武田信玄）で勝利を収める。ところが、信長に武田方への内通を疑われ、内室の築山殿と長男・康信が自害させらる。 　天正十年（1582）六月一日、明智光秀の謀叛によって、その信長が本能寺の変にて討たれてしまう。 　後継者となった豊臣秀吉とは小牧・長久手の戦いで争った後に、秀吉の様々な融和策によって和睦する。その後は政権の中枢にあって、服属しない伊達氏や北条氏など、東国の諸大名の間に入って取次役に徹した。さらに秀吉の全国統一後は関東への転封にも従い、豊臣政権の大老としての職責を果たした。 　慶長三年（1598）秀吉が没すると五大老の筆頭として権勢をふるい、天下取りに邁進する。翌年、戦国史上最大の合戦・関ヶ原の戦で石田三成の軍勢を破って勝利をおさめると、慶長八年（1603）に征夷大将軍に任ぜられ、江戸に幕府を開いた。