高杉晋作 (1839-1867) 長州藩士・奇兵隊

高杉晋作  高杉晋作は、天保十年(1839)長州藩上士高杉小忠太の長男として生まれた。15歳のとき明倫館に通う。剣術は柳生新蔭流免許皆伝の腕前となる。吉田松陰の噂を聞くと、家族の反対を押し切って友人の久坂玄瑞と松下村塾に学び、門下の双竜を称せられた。
 安政の大獄によって師・吉田松陰を失い復讐を誓う。万延元年(1860)軍艦教授所に入所、航海術練習のために藩の丙辰丸で江戸に向かうが、才能なきことを思い知らされ諦める。その帰路に佐久間象山、横井小楠を訪ねる。
 江戸に出た晋作は久坂らに焚きつけられ開国論者の長井雅楽暗殺計画に参加しようとするが、桂に止められ、文久元年(1861)清国への派遣に加わることになる。ここでの体験が奇兵隊結成の基になると共に内乱の脅威を目の当たりする。帰国後、急進攘夷論者になり、文久二年(1862)にイギリス公使館焼き討ちを実行する。
 一時、攘夷志士たちに失望し頭をまるめて隠遁しようとしてが、文久三年(1863)藩主に軍備立て直しを命じられ、西洋軍制に習う軍隊の結成を提案する。そして、武士を中心に身分を問わず志を同じくする者を集めた民兵部隊である奇兵隊を結成する。そんな中、八・十八政変や池田屋事件が起きて、長州が挙兵しようとするのを止めようと説得するが失敗する。そして勝手に上京したため脱藩の罪で野山獄につながれた。
 獄にいる間、藩がイギリスら四国艦隊に下関を砲撃され苦境に陥る。自宅謹慎中の高杉であったが敗戦処理の交渉にあたることになった。ところが第一長州征伐を機に俗論党に藩の実権を握られた。そのため萩を脱して北九州などに潜伏する。しかし、形勢の挽回のため密かに長州に戻り、慶応元年(1865)伊藤俊輔ら力士隊らとクーデターを起こし保守派を一掃し藩政を奪いとることに成功する。桂小五郎を呼び武力倒幕を掲げ、挙藩軍事体制の確立をはかる。ところが貿易商グラバーの下関開港に説得され開港の準備をしようとすると、藩政を握っていた攘夷志士に命を狙われることとになった。
 慶応二年(1866年)、幕府の第二次長州征伐が開始すると、やはり高杉晋作が必要になり海軍総督として、翌七月には下関海陸軍参謀として活躍。小倉戦争では圧倒的な勢力の幕軍を破る。結核が悪化したたため十月には辞任し、療養生活に入るが、その翌年、逝去。29歳であった。

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