Vangelis
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Heaven and Hell(天国と地獄)(1975) ☆☆☆

Heaven and Hell 1.Heaven And Hell Part 1(天国と地獄パート1)
2.So long ago, So Clear(ソー・ロング・アゴー,ソー・クリアー)
3.Heaven And Hell Part 2(天国と地獄パート2)

 アルバム全体がひとつのテーマを基に複雑に構成され様々に情景が変化する。壮大なスケールを感じさせる傑作。特に、情感溢れるジョン・アンダーソンの肉声とシンセサイザーによるコラボレーションの完成した音楽に驚くばかりである。これをベストと推す人は多いと思う。初期の代表作と言える。

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Albedo 0.39(反射率0.39)(1976) ☆☆☆

Albedo 0.39 1.Pulstar(パルスター)
2.Free Fall(フリーフォール)
3.Main Sequence(メイン・シークエンス)
4.Sword Of Orion(オリオンの剣)
5.Alpha(アルファ)
6.Nucleogenesis (Part One、Part Two) (核の創生パート1/パート2)
7.Albedo 0.39(反射率0.39)

 タイトルである「Albedo 0.39」とは「惑星や非発光体の反射力。完全な反射物(鏡)は100%のAlbedoを持つ。地球のAlbedoは39%である」とジャケットに説明されている。すなわちAlbedo 0.39とは地球の事を指す。地球から発するPulse(波動)から出発し、壮大で神秘な宇宙空間を表現した作品である。
 1曲目の〈Pulstar〉は激しいサウンドでヴァンゲリスの代表曲でもある。2曲目の〈Free Fall〉ではNASAの管制塔との交信音を取り入れている。3曲目の〈Main Sequence〉も激しい曲。4曲目の〈Sword Of Orion〉は美しいサウンド。そして5曲目の”Alpha”はケンタウロス座のアルファ星のことであり、徐々に盛り上がってくるサウンドは圧巻だ。6曲目の〈Nucleogenesis〉は再び激しい曲になり、最後の〉Albedo 0.39〉へと続いていく。

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Spiral(螺旋)(1977) ☆☆

Spiral 1.Spiral(螺旋)
2.Ballad(バラッド)
3.Dervish D(托鉢僧D)
4.To The Unknown Man(見知らぬ男)
5.3+3(3+3)

 《Spial(螺旋)》というタイトルは、ヴァンゲリスの東洋への興味からきていると言われている。これまでのアルバムである《天国と地獄》、《反射率(=地球から宇宙)》へと行き着くと、逆に人 間に戻ってきたというコンセプトを表現。アルバム・ジャケットの下に"Going on means going far. Going far means returning."と書かれている。全体的には”動”と”静”の世界が対照的に収められている。
 1曲目の〈Spiral〉は〉Pulstar〉を思い浮かべるようテンポの速い軽快なサウンドの曲、2曲目の〈Ballad〉は一転して静けさを称えたメロディが流れ、3曲目の〈Dervish D〉では再び力強いテンポの曲となる。4曲目の〈To The Unknown Man〉ではフィナーレに向かって徐々に盛り上がっていく。そして再び〈3+3〉でリズミカルなサウンドへと戻って終える。

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Opera Sauvage(野生)(1979)☆☆☆

Opera Sauvage 1.Hymne(讃歌)
2.Reve(夢)
3.L'Enfant(子供)
4.Mouettes(かもめ)
5.Chromatique(クロマティク)
6.Irlande(アイルランド)
7.Flamants Roses(紅鶴)

 1曲目の〈Hymne〉は同じフレーズ美しく繰り返される。淡い幻想の世界に揺られ、感動的なフィナーレとなる。2曲目の〈Reve〉は穏やかなユートピアな雰囲気。3曲目の〈L'Enfant〉はのどかでゆったりした感じ。4曲目の〈Mouettes〉は牧歌的。5曲目の〈Chromatique〉は神秘的で異様な楽曲。6曲目の〈Irlande〉は穏やかで広大な世界を想わせる。7曲目の〈Flamants Roses〉は3部構成で、前半はハープをフィーチャーした美しいサウンド。中盤では一転して躍動的な曲調へ、ラストは再び繊細で哀愁漂うサウンド。

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China(チャイナ)(1979) ☆☆

China 1.Chung Kuo(チャイナ)
2.The Long March(ロング・マーチ)
3.The Dragon(ドラゴン)
4.The Plum Blossom(プラム・ブラッサム)
5.The Tao Of Love(タオ・オブ・ラブ)
6.Little Fete(リトル・フェイト)
7.Yin & Yang(ユンとヤン)
8.Himalaya(ヒマラヤ)
9.Summit(サミット)

 まさに中国をイメージする作品。無機質な音も織り交ぜながら全体的にシンプルな音楽となっている。
 1曲目の〈Chung Kuo〉はゆたっりした中に、また5曲目の〈The Tao Of Love〉は静けさのなかに、ほのぼのとした中国らしいイメージが浮かび好きだ。

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See You Later(流氷原)(1980) ☆

See You Later 1.I Can't Take It Any More(アイ・キャント・テイク・イット・エニモア)
2.Multi-Track Suggestion(マルチトラック・サジェスチョン)
3.Memories Of Green(メモリーズ・オブ・グリーン)
4.Not A Bit - All Of It(オール・オブ・イット)
5.Suffocation(サフォケーション)
6.See You Later(シー・ユー・レイター)

 1曲目の〈I Can't Take It Any More〉は不気味で異様な雰囲気。2曲目の〈Multi-Track Suggestion〉はテクノっぽい。3曲目の〈Memories Of Green〉は切なく美しいバラード。4曲目の〈Not A Bit - All Of It〉はドラマのようなユニークな楽曲。5曲目の〈Suffocation〉は奇妙なイントロから曲調が変化し観念的な雰囲気になる。6曲目の〈See You Later〉は前半は小刻みなテンポのナンバーで奇怪なヴォーカルが印象的。後半は霊的空間が広がるスローテンポのサウンド。ジョン・アンダーソンが参加している。

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Chariots Of Fire(炎のランナー)(1981) ☆☆☆

Chariots Of Fire 1.Titles(タイトルズ)
2.Five Circles(五輪)
3.Abraham's Theme(アブラハム・テーマ)
4.Eric's Theme(エリックのテーマ)
5.100 Metres(100メートル)
6.Jerusalem(エルサレム)
7.Chariots Of Fire(炎のランナー)

 1982年のアカデミー賞にてベスト・サウンドトラック賞を受賞した作品で、一躍有名にさせた。この映画は、オリンピック100m走で金メダルに輝いたハロルド・アブラハムとエリック・リデルを描き、それぞれが熱き信仰やユダヤへの偏見を乗り越えて闘う物語である。
 100mという短時間の競技を見事に音楽的に表現している。シンセなどの機械的な楽器を使用しているが、感情的で1つ1つの人間の動きと重なり合った美しい演奏になっている。スローなテンポのリズムが、100mを走る姿のスローモーションとうなく重なってあり、映画のシーンが蘇る。

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Antarctica(南極物語)(1983) ☆☆

Antarctica 1.Theme From Antarctica(南極物語メイン・テーマ)
2.Antarctica Echoes(極地のこだま)
3.Kinematic(生きるための戦い)
4.Song Of White(白夜の歌)
5.Life Of Antarctica(生命の神秘)
6.Memory Of Antarctica(南極の想い出)
7.Other Side Of Antarctica(未知とロマンの南極)
8.Deliverance(奇跡の生存)

 蔵原惟繕監督の日本映画「Antarctica(南極物語)」のサウンド・トラック。有名なタロ・ジロの実話を基に、南極の厳しい環境の中、15匹のカラフト犬の生への奮闘と南極観測隊員たちの姿をスケール感たっぷりに描いた作品。
 全体的にメロディーは温かく優しいイメージの曲が並ぶ。〈Theme From Antarctica〉を聞くと犬たちが南極の上を走っている姿が目に浮かぶ。バックで響いている打楽器は、大きな銅鑼らしいです。

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Soil Festivities (大地の祭礼)(1984)☆☆☆

Soil Festivities 1.Movement 1(ムーブメント1)
2.Movement 2(ムーブメント2)
3.Movement 3(ムーブメント3)
4.Movement 4(ムーブメント4)
5.Movement 5(ムーブメント5)

 本作品から《Mask》《Invisible Connection》の3作は今までとは異なり、難解な作品となる、
 1曲目の〈Movement 1〉は雨の音をバックに力強い大地が広がる雄大な楽曲。2曲目の〈Movement 2〉は淡く物憂げな雰囲気。3曲目の〈Movement 3〉は美と躍動感のバランスが見事に映える幻想的な空間。4曲目の〈Movement 4〉は悲しい暗い世界が広がる。5曲目の〈Movement 5〉は 哀愁漂う綺麗なサウンドが虚空に映えて心地よい。

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Mask(マスク)(1985) ☆☆

Mask 1.Movement 1(ムーブメント1)
2.Movement 2(ムーブメント2)
3.Movement 3(ムーブメント3)
4.Movement 4(ムーブメント4)
5.Movement 5(ムーブメント5)
6.Movement 6(ムーブメント6)

 アルバム全体で1曲というコンセプト・アルバム。最初の大きな銅鑼が鳴り重厚なサウンドから始まる。静と動のバランスが自然と混じり合う。全体的にゆっくりとテンポで、重層かつ幻想的な音楽が広がる作品。南米の不思議な世界を思わせる。

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Invisible Connections(見えない絆)(1985) ☆

Invisible Connections 1.Invisible Connections(見えない絆)
2.Atom Blaster(アトム・ブラスター)
3.Thermo Vision(サーモ・ヴィジョン)

 LPでは日本未発売、日本でのCD発売も遅かった問題作。リズムとメロディもほとんどなく、環境音楽と言うべき作品か?イーノの音楽にも似通っている。

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Direct(ダイレクト)(1988) ☆

Direct 1.The Motion Of Stars(モーション・オブ・ザ・スターズ)
2.The Will Of The Wind(ウィル・オブ・ザ・ウインド)
3.Metallic Rain(メタル・レイン)
4.Elsewhere(エルスウェア)
5.Dial Out(ダイヤル・アウト)
6.Glorianna (Hymn A La Femme)(グローリアーナ)
7.Rotations Logic(ロータリオンズ・ロジック)
8.The Oracle Of Apollo(アポロの神話)
9.Message(メッセージ)
10.Ave(アーベイ)
11.First Approach(ファースト・アプローチ)
12.Intergalactic Radio Station(銀河ラジオ・ステーション)

 本作品からアナログ中心の音からデジタル中心の音に変わる。特にデジタル音の印象が強いでアルバムです。ダイレクトというのは、本作のタイトルであると同時に、ヴァンゲリスとそのエンジニアが開発したシステムの名前でもあります。

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Themes(ザ・ベリー・ベスト・オブ・ヴァンゲリス) (1989) ☆

Themes 1.End Titles From "Bladerunner"(エンド・タイトルズ ブレードランナー)
2.Main Theme From "Missing"(メイン・テーマ ミッシング)
3.L'Enfant(子供「野生」より)
4.Hymn(讚歌 「野生」より)
5.Chung Kuo(チャイナ 「チャイナ」より)
6.The Tao Of Love(タオ・オブ・ラブ 「チャイナ」より)
7.Theme From "Antarctica"(南極物語)
8.Love Theme From "Bladerunner"(ラブ・テーマ ブレードランナー)
9.Opening Titles From "Munity On The Bounty"(オープニング・タイトルズ ミュティニイ・オン・ザ・バウンティ)
10.Closing Titles From "Munity On The Bounty"(クロージング・タイトルズ ミュティニイ・オン・ザ・バウンティ)
11.Memories Of Green(メモリーズ・オブ・グリーン「流氷源」より)
12.La Petite Fille De La Mer(海辺の少女「動物の黙示録」より)
13.Five Circles(五輪「炎のランナー」より)
14.Chariots Of Fire(炎のランナー「炎のランナー」より)

 ポリドール時代のべスト盤。1曲目のEnd Titles From 〈Bladerunner〉、2曲目のMain Theme From 〈Missing〉はこの作品で初めて登場した。

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