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○出版社/三笠書房 ○2000年6月
○時代/鎌倉以前
○目次
一章 山頂の一本松−孤高の執権を揺さぶる「内外の危機」/九州からの「詰問状」−弘独な一本松に迫る「外患」と「内憂」/北条氏の「原罪」:血で血を洗う「内輪もめ」の歴史/神風の後−恩賞への期待が落胆に変わるとき/父と日蓮−在りし日の思い出/竜ノ口の法難/側近・頼網−彼もまた「頼みの綱」ならず/左右の実力者−安達泰盛と平頼綱/「鎌倉」評定−"美酒"に浸った評定衆たち/妙案―安達秦盛の「鶴の一声」/「執権の心構え」を教えた南宋の高僧−蘭渓道隆と無学祖元/木には「根」が、水には「源」がある/小善は「大悪」に似て、大善は「非情」に似たり/ニ章 北条の血、父の遺産−父から子へ受け継がれた「帝王学」/重い宿命を背負って−将来の執権が約束きれた誕生/内輪もめの火種−長幼の序か、嫡庶の序か/田代将軍顆経と執権北条家との暗闘/一斉粛清−時頼の名を一躍天下に鳴り響かせたもの/北条家の「悲願」−なぜ"首のすげ替え"は繰り返されたか/アメとムチ−時頼が「名執権」といわれるわけ/一見、珍妙だが、血の通った法令/なぜ時宗は元服後すぐ執権にならなかったか/「出家志願」の執権たち−仏門に入っても口は出す/「鉢の木物語」−入道時頼の諸国行脚/「梅と松と桜」の恩人−佐野は現われるか/頼朝公の「負の遺産」−地頭という"化け物"/「要職」と「年齢・寿命」の薇妙な関係/わずか十歳の「幹部候補生」/それぞれの宿命−将軍と次期執権/生まれながらのトップ−周囲の視線を一身に集める"早熟の実"/十一歳の花婿と十歳の花嫁−時宗、妻をめとる/「小笠懸」騒動−兄との確執/やり場のない怨念のゆくえ/三章 武家政権の正統性−"重病人"の鎌倉幕府を立て直す「劇薬」/若きリーダーの抱える悩み/寄らば大樹の陰−変わる土地支配の構図/「カ」こそすべて−荘園を"虫食い"にする地頭たちの横暴/棚からボタ餅−地頭を傘下に抱え込む守護/直系による傍流への支配−執権政治から得宗政治へ/"悪魔の美酒"−日常化する不正/「御成敗式日」−現実と律令の乖離を埋める新法/証文は絶対−鎌倉時代は意外と"法治主義"だった/「改元に次ぐ改元」を逆手に上った幕府/元凶−自らの殻の中に"引きこもる"北条政権/頼朝は鎌倉を「ミニ京都」にしたかった?/滅びかかった京都を再生したのは、鎌倉武士だった/都市発展の運動法則−政都から商都へ、さらに宗教の都へ/「自助努力」と「自己犠牲」−鎌倉武士の原点・初心とは何か/『平家物語』の著者が伝える鎌倉の暮らし/すべてを吸収し、発展してきた都市/四章 清と濁のジレンマ−あえて「鬼」となった次期執権の挑戦/「陰謀の血」−粛清に次ぐ粛清の系譜/邪魔者は徹底的に排除する/"返り血"を浴びる覚悟/兄のように慕って親王将軍の追放/「あなたも一味だ」−時宗の胸に深く刻まれた痛み/後味の悪さだけを残した「二月騒動」/君子、豹変す−身内を斬った「政子の血」/五章 国難前夜の執権就任−なぜ若きリーダーは「強硬策」に徹したのか/蒙古はなぜ日本を狙ったのか/歴史の鉄則−中国文化に魅せられてしまったフビライ/降伏と救底抗戦で揺れた高麗/白羽の矢−十八歳の執権誕生/はたして身に迫るほどの危機感はあったか/「日本を第二の南宋にするな」−"日本版"中華思想の萌芽/「反北条」勢力の培養と結集−野心家・安達泰盛の腹/獲らぬ狸−屯田兵の耕具まで船に載せた蒙古軍/緒戦大敗−日本軍苦戦、九つの理由 /"討ち死"に覚悟の悲壮感は、一夜にして/六章 「非情」の決意/−自己を犠牲にしても守らねばならなかったもの/フビライの「大陸的」な性格/「来るなら来い」−不退転の決意/外患をもって内憂を断つ/たとえ幕府や北条氏が滅びようとも/悲壮な決意が生んだ"画期的な一一手"/対峙する両軍−攻めるも守るも準備万端/弘安四年閏七月一日の夜−天佑の風、ふたたび/「恩賞よこせ」の大合唱−要求を退けつづける"一本松"歴史の掃結−蠢動する「新しい波」 |