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ドイツのプログレッシヴ・ロック・グループ〔カン(CAN)〕は1968年、イルミン・シュミット(kbd)を中心に、ホルガー・シューカイ(b)、ヤキ・リーベツァイト(dr)、ミヒャエル・カローリ(g)、デヴィッド・ジョンソン(violin)によって結成される。カンの名前の由来は出来るという意味のほかに、馬鹿、尻、刑務所などのスラングを含み、各々が学習の中から得たものを缶の中に投げ込むという意味をこめてつけられた。後年、イルミン・シュミットはCommunism、Anarehizm、Nihilismの頭文字を並べたものであると語っている。彼らはケルン郊外の古城を借り、インナー・スペース・スタジオを立ち上げて、セッションを繰り返していた。その後、ファーストアルバムのレコーディング直前にデヴィッド・ジョンソンが脱退。アメリカの黒人画家でヴォーカリストとしてのキャリアは皆無だったマルコム・ムーニー(vo)が加入する。
1969年、大手レコード会社と契約できず、自身のレーベル・ミュージック・ファクトリーから《Monster Movie》を600枚限定でリリースする。しかしマルコム・ムーニーは精神を患って、1年半後にグループを去る。オーディションの結果、日本人ボーカリストのダモ鈴木が加入する。1970年に《Soundtracks(サウンドトラック)》、1971年《Tago Mago》、1972年に《Ege Bamyasi》をリリースする。
1973年に発表した5作目《Future Days》をもって、ダモ鈴木が音楽的な意見の相違(彼女の信仰によって?)で脱退する。ここまでの第1期が〔CAN〕として最も輝いていたと言える。
その後はリード・ボーカリストを迎えず(ミヒャエルやイルミンが兼任)1974年に《Soon
Over Babaluma》をリリース。1975年に《Landed》、1976年に《Flow Motion》、1977年に《Saw
Delight》、そして1978年に《Out Of Reach》を発表、シューカイの脱退などダメージもあって、1979年に《Inner
Space》を最後に解散に追い込まれる。
解散後はソロ活動となるが、元メンバー同士のセッションが度々行われる。1989年には結成20周年を記念して《Rite Time》をリリースする。ここでは、マルコム・ムーニーが復帰している。 |
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