|
<本文から>
企業やビジネスマンにとって、現代は、
「戦国時代と幕末の複合時代だ」
と言われる。どちらかが単一に襲ってきた時代はいままでにも何度かあるが、二つがダブって同時に訪れたことはない。
それだけに、既成の方法のほとんどが役に立たなくなり、結局は、
「やはり人だ」
ということになる。そのために、人材発見やその育成・活用が、いまやどこの職場でも合言葉になっている。
しかし、人を育てるのは植物を育てるのと同じで、
「この木は何の木なのか」
「花を咲かせるのか、実をならせるのか」
と、まずはその植物の持つ可能性を見極めなければならない。そうしなければ、どういう肥料を与え、時に剪定をし、副え木をすればいいのか見当がつかないからだ。
人の場合、この可能性や本質を見極めることを、
「人を見抜く」
と言う。人材の発見・育成・活用のスタートは、すべてこの「人を見抜く」ことから始まる。しかし、人を見抜くと言っても、ただ無目的に見抜こうとしても始まらない。
まず、「何のために」という″目的″をしっかりわきまえる必要がある。
ということは、
「見抜かれる側」
の状態以前に、
「見抜く側」
の状態が問題になる。つまり見抜く側が、自分の属している組織の目的をどう認識し、どう寄与しようとしているのかに加えて、職務に対する情熱や自己能力が深く関わりを持ってくるからだ。 |
|