|
<本文から> 「豹変のススメ」
を書いているが、こういう世の中からの見られ方は、当然豹変者ははっきり覚悟すべきだ。
そして、
「相手を納得させる説明」
が必要だ。そのための、
「豹変の論理の確立」
が必要である。それがまた、
「豹変者の生きる喜び」
のはずだ。したがって豹変には、
「自分を信じ抜く」
という強い精神力が要る。豹変は、
「強度の自己信仰」
による生産物なのだ。
龍馬が、
「いまの我々にとって必要なのはピストルだ」
といったのは、単純に、
「刀からピストルヘ」
という武器の近代化を言ったわけではない。そうではなく、
「いろいろと学んでみると、日本の現況は外国に甚だしく遅れを取っている。特に、科学知識や技術においては、どうしようもない。一日も早く、外国の科学知識や技術を導き入れるべきだ。それには、撰夷などといっていてはだめなので、早く開国すべきだ」
という、いわば明治維新後新政府が唱えた、
「ヨーロッパに追いつけ、追い越せ」
という、日本の近代化を急ごうという精神に発展していく。このことを、龍馬は、
「いま大切なのはピストルだ」
といったのだ。したがってこの時のピストルは、
「先進的な外国の科学知識やその技術」
のことをいっていたと見るべきだろう。 |
|