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<本文から> しかしわたしは、天下をよくしようと考えて自分の団を去るのは、団を治めるのだといって自分の身を修めないのと同じことだと考える。
『修身(身を修め)・治国(団を治め)・平天下天下を平らかにする)』
というのは、『大学』の冒頭に出てくる実践の順序である。これは決して乱してはならない。近頃世間では、
『工業立たざれば国家に益なし』
という人がいる。大きな間違いだ。
『道を明らかにして功を計らず、義を正して利を計らず』
というのが正しい。君に仕えて意見が合わないときは、諌死するもよし、囚われの身となるもよし、あるいは職を断って餓死するのもまたよいことなのだ」
初っ端から、聖賢といわれた孔子や孟子を間違っているなどという儒教の信奉者はおそらくいないだろう。 |
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