童門冬二著書
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          新・水戸黄門異聞

■伯父から正しい歴史を残すことを教わる

<本文から>
 「伯父上は、一体何のためにそういうお仕事をなさっているのですか?」
 ある日光圀がきいた。義直は答えた。
「歴史はつねに正しくあらねはならぬ。後他には、間違ったことを信えてはならない。その手掛りが、神社仏間の由緒だ。神社仏閣は、万人が崇敬の念をもって接する。その寺や社の由緒に誤りがあっては、そこに祀られた神仏に対し申しわけがない。同時に、詣でる真面目な信者に対しても、偽りを告げることになる。これは誰かが改めなければならない」
 この言葉に、光圀はひどく打たれた。
<伯父は、そういうつもりで日本の神社仏閣の由緒を改めていたのか> 

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