童門冬二著書
ここに付箋ここに付箋・・・
          人生で必要なことはすべて落語で学んだ

■人生問題に村し落語を活用する

<本文から>
 ・そこそこに生きて行く。あまりむきになって偉くなろうとは思わない
・川の流れの自浄作用を重んずる。上からゴミや汚水が流れてきても、自分の持っている底石で全部クリアしてしまう。そして流れて行く
・だから、来るを拒まず去るを追わない
・何か起こつても、「なぜ起こったのか?」としつこく原因追及をしない。それよりもどうすれば解決するかと前向きに考える
・それほど金をためようとも思わない
・長距離マラソンでいえば、三番手か五番手でいいという考え方。トップランナーになったり、二番手につくような緊張感から遠ざかる
 などというものです。
 所詮ぼくも落語に出てくる長屋の八つぁんや熊さんであり、時に家主さんであり、小言幸兵衛であり、あるいは酢豆席を食わされる嫌味な若旦那であり、さらに与太郎的な素質が多分にあるのです。こういういろいろな落語的性格を身につけた、″落語人間″として生きて行くことは結構楽しくまた幸福でもあります。そこでお読みくださるみなさんに、
「どうぞ″落語人間″におなりください」
 とお勧めいたします。それは本人が幸福なだけでなく、
「周りも幸福にする」
 という効用をもたらすからです。昔、近江商人に、
「三方よし」
 という考え方がありました。これは、
「自分よし・相手(客)よし・世間(社会) よし」
 という考え方です。″落語人間″になると、この「三方よし」が実現できます。そこでこの本では、ぽくたちが毎日遭遇するいろいろな出来事に対して、
「こんな時に、どんな落語を応用したらいいかな」
 ということで、いわば、
「人生問題に村し落語を活用する″ケース・スタディ(事例研究)″」
 を書きます。しかし、応用する落語は、それぞれ演者(落語家)によって、筋立てや語句口が違います。ですから同じ話でも、落語家によってニュアンスの異なる話の原形を、そのままご披露することはできません。平均値をとって、ぼくなりに手を加えました。
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