プログレッシブ・ロックについて


 1960年代後半のイギリスに現れたロックの一つ。略して「プログレ」と言う。今までのロックの有り様にとらわれず、他の様々なジャンル(例えば、クラシック、ジャズ、フォーク、民族音楽など)の影響を反映した、前衛的あるいは先進的(プログレッシブ)・実験的な音楽のこと。更に、その音楽のアプローチや演奏技法にとどまらず、精神までも昇華しようとした。
 プログレ界の五大バンドと言われるピンク・フロイド、キング・クリムゾン、イエス、ジェネシス、エマーソン・レイク&パーマーが活躍した。また、ソフト・マシーンをはじめとするカンタベリー出身者を中心とするジャズを基調としたバンドをカンタベリー系と言った。ヨーロッパにも有力なバンドが存在し、ドイツで生まれた実験的な音楽を指すジャーマン・プログレやイタリアン・プログレなどと呼ばれるようになった。
 ところが70年代から台頭してきたパンクやニュー・ウェイヴに押され、70年後半にはビック・バンド達が失速。80年代前半、売れ筋ポップ・サウンドの反発から、70年代プログレに影響を受けたネオ・プログレッシヴ・ロックが生まれる。今で言うブリティッシュ・ポンプ・ロック(華麗、盛儀という意味)として登場した。
 一方、1970年代のアメリカでは、イギリスのプログレッシブ・ロックの影響を受けたカンサスやボストンなどが台頭し、アメリカン・プログレ・ハードというジャンルが誕生した。1990年代以降はドリーム・シアターなどによるプログレッシブ・メタルと呼ばれる音楽形態も生まれた。


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