Steve Hogarth (Vocals, Keyboards, Percussion)
Mark Kelly (Keyboards)
Ian Mosley (Drums)
Steve Rothery (Guitars)
Pete Trewavas (Basses) |
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1994年に発表された、実際に起こった事件をもとに制作された作品。自殺未遂を行い記憶を失った10代の少女が、イギリスの高速道路近くのSevern Bridgeで警察に発見・保護されたというニュースが流れた。それを聞いて衝撃を受けたスティーヴ・ホガースは、少女の人生と現代の世の中の悲観性・矛盾についてのストーリー展開しコンセプト・アルバムを作りあげた。プログレの傑作の一つ。
1曲目の〈Bridge〉は事件の舞台となった橋を表した寂しい楽曲。2曲目の〈Living With The Big Lie〉は社会を批判している内容で、切なさが漂う雰囲気。途中から衝動的に叫ぶようなヴォーカルが印象的。3曲目の〈Runaway〉は穏やかにかつパワフルな楽曲。4曲目の〈Goodbye To All That〉は5部構成の複雑で壮大な曲展開。静かな導入から、荒っぽいサウンドへと移る。中盤では穏やかな曲調に変化し、日本語の〈何かを感じるまで、息を止めて、それがわかったら、それでいいの、なれるのよ〉という語りが入る。後半は悲観に満ちた歌声がフィーチャーされる素晴らしい作品。5曲目の〈Hard As Love〉ヘヴィーなナンバー。6曲目の〈The Hollow Man〉は、少女が機械のような人間へと変貌していった様子を描いており、ピアノと寂しげなヴォーカルがフィーチャーされている。7曲目の〈Alone Again In The Lap Of Luxury〉は静けさと激しさのバランスがとれたナンバー。8曲目の〈Paper Lies〉は力強いロック・サウンドの楽曲で、最後に不思議な音色をちりばめて終え、次曲へそのままつながっていく。9曲目の〈Brave〉はオリエンタル風のゆったりとした雰囲気のナンバー。10曲目の〈The Great Escape〉では、すべてが嫌になった少女が橋から飛び降りて開放されるまでを描いており、ドラマチックな音の展開が悲しすぎてたまらない。11曲目の〈Made Again〉は少女が橋から飛び降りそれまでの苦しみから解放されて行く様子を描いている。スティーヴ・ロザリーのアコースティック・ギターが大変に印象的な作品で、最後にあえて明るい楽曲で締めくくっている。 |