photo
花の豆知識
サクラソウ
●さくらそう科 多年草
●学名 Primula sieboldi
●約300種の園芸品種があり、日本の伝統的園芸植物として親しまれています。半数以上が江戸時代から伝えられました。
●種の形容は長崎出島のオランダ商館付医師として来日し、日本の植物を研究したドイツ人のシーボルトの名にちなむ。和名はサクラに似た花を咲かせる草という意味。
●日本から朝鮮半島、中国東北部にかけて自生します。早春のころ休眠していた根茎から芽を出し、やわらかい毛に包まれた葉を開きます。葉の柄は長く、葉身は長楕円形で長さ10cm程度。サクラの花が終わる頃、株の中心から高さ15cm内外の花茎を出し、散形状に数花をつける。花が終わると葉と茎の基部の部分に、新しい根茎の形成が始まり、新しい根を伸ばし、盛夏に入る前には葉が枯れて、翌春まで休眠。寒さには強い。
●サクラソウは別名「報春花」といい、小さな花びらはサクラと似ています。江戸の元禄時代に各地の大名が競って保護し、全国的にも大流行しました。品評会や園芸の書物も多く残っています。ところが今は、まぼろしの花。わずかに埼玉県浦和市の田島ケ原に群生があるばかりです。特別天然記念物として指定され保護されています。ここは、荒川の氾濫の影響で土地が肥えているうえ、開発されていないので今も残っています。
●このところ花屋さんの店先を飾っているのは、多くが外国産の草花や観葉植物です。サクラソウもボタボタと花をつけて、やけに太ったものばかりで優雅さでは日本種に劣ると思います。
フラワールームに戻る