第一部：江戸最後の日　−男たちの選択− 　榎本がオランダ留学から帰国した時期は幕末の混乱期。幕府海軍の中枢となるが、大政奉還、王政復古の大号令、鳥羽・伏見の戦いを経て新政府が樹立する。官軍に追われた旧幕府軍を率いた脱走軍を乗せて“開陽丸"は新天地・エゾ地に向かう。

	第二部：幻の蝦夷共和国 　北海道を旧幕臣の生きる地域にしようと共和国をつくり、選挙で榎本は総裁となる。しかし新政府は国家に背く賊臣として”函館戦争”が起こる。 　官軍の降伏勧告に対して、榎本はオルトラン先生の「海律全書」を焼失することを惜しみ敵軍に引き渡す。

	このお礼として薩摩・黒田清隆は酒を数樽と海産物のつまみを送った。これにより、榎本軍は降伏する。

	二年余の獄中生活を送るが、黒田清隆、福沢諭吉らの助命で特赦となり、出獄後は北海道開発に尽力する。その後、海軍中将、枢密顧問官、外相、農商務相等を歴任し、子爵となる。また、特命全権公使としてロシアに駐在し、千島・樺太条約を締結する。