テレビ朝日 新春ドラマスペシャル「白虎隊」

○2007年(平成19年)  ○テレビ朝日
○時代/幕末維新
○脚本/内館牧子
○出演/山下智久(酒井峰治)/薬師丸ひろ子(酒井しげ)/野際陽子(酒井もん)/高嶋政伸(酒井安右衛門)/田中聖(篠田儀三郎)/藤ケ谷太輔(伊東又八)/東山紀之(松平容保)/小林稔持(西郷頼母)/浅野ゆう子(西郷千重子)/黒木メイサ(浅井小夜子)/若村麻由美(篠田しん子)/中越典子(山本八重子)ほか

 第一夜
 酒井新太郎は、どこにでもいるようなイマドキの日本男児。親の言うことも聞かない新太郎に、会津から上京してきた祖母・敏子の怒りが爆発する。友人の篠田雄介とともに逃亡。一番安全な会津へと身を隠す。暇を持て余して訪れた白虎隊記念館で自分たちにそっくりな少年たちの肖像画に対面。やがて2人は遠く幕末の世界へと引き込まれていく。
 酒井峰治は、会津藩校日新館に入学。ここで士族の子弟たちは会津武士のイロハを教え込まれるのだ。母・しげは峰治を「会津武士としてお役に立ち、立派に死ぬことを心がけなさい」と送り出す。峰治のほか、篠田儀三郎、伊東又八ら後に白虎隊士となる少年たちが、この年そろって日新館に入学した。
 会津藩主・松平容保は幕府から京都守護職に任命される。しかし孝明帝が崩御とともに幕府は窮地に陥いる。15代将軍慶喜は朝廷に大政を奉還し徳川幕府は崩壊。会津は朝敵となり、鳥羽・伏見に始まった戦いは、次第に東へと主戦場を移していった。会津に戻った容保は年齢によって新たな隊を編成する。『玄武隊』、『青龍隊』、『朱雀隊』、そして16歳から17歳を『白虎隊』に配属させた。
第二夜
 母成峠が破られついに容保は白虎隊の出陣を命ずる。隊士もそれぞれ家族に別れをつげ城に向かった。出陣から数時間後には敵に遭遇、雨の中初めての戦闘が始まる。満足に食糧も持たされていない白虎隊士たちに、疲労の色が見え始めていた。ここで白虎隊は2隊に別れての行動に出る。峰治は半隊頭・原田克吉率いる分隊、儀三郎は日向隊長率いる本隊。親友二人はここで別れることとなった。彼らは山路を敗走。そんな中、峰治は隊よりはぐれてしまう。肉体は限界を越えた峰治は力なくへたり込み、死を覚悟した時、愛犬クマが現れ、「生」の感情が戻った。途中、又八が倒れているのを励まし助けなんとか近くの農家にたどり着いた。
 一方、隊長を失った本隊は、儀三郎が代わりに隊長を務め、敵に立ち向かっていた。猛烈な攻撃を浴び、隊は壊滅寸前の状態になる。少年たちは相談した上で、儀三郎が城への退却の命令をだした。ようやく城下の様子を見ることが出来る飯盛山に到着。しかし彼らの目に飛び込んできたものは、火に包まれる鶴ヶ城であった。城が焼かれているということは、藩主も藩士も、みな腹を切ったであろう。会津武士としての一分を全うしよう。19名全員が一列になって城の方を向き自刃した。
 ついに鶴ヶ城総攻撃が始まる。新政府軍は、朝から晩まで弾丸の雨を降らせた。城内は死体と負傷者であふれかえり、生きている者も、みな疲れ果てている。そんな中、母・しげの病状が悪化、息絶える。会津の多くの命が失われていることに胸をいためた容保は、降伏を決意したのだった。
 そして現代に戻った新太郎と雄介は、白虎隊記念館で呆然と立ち尽くしていた。

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